次の世代へ

NEXT GENERATION

NEXT GENERATIONの解散ライブの日。




朝、会場に付くと既にリハーサルは始まっており、私服のメンバーがステージで踊っていた。
そういえば純粋にライブハウスでNEXTを見るのって、一年以上ぶりだということに気付いた。
(ハピパピもそうか)
やっぱりちゃんとしたステージで見ると映えるなあ。




本番まではかなり間が空いたので、ほとんど一日中メンバーと楽屋にいた。
彼女たちは他のアイドルの娘たちとくらべて非常にかしましいので、
一緒にいて飽きる事はなかった。
むしろ「もうちょっとおしとやかにしたほうがいいんじゃない?」とも言った(笑)



この日はライブの大トリを務めるという、まさに解散に打ってつけの日。
本番直前の舞台袖で、それまで元気だったしほちゃんが急に泣き出してこっちもなんだか胸が痛くなった。
だから僕は「悔いが残らないように、楽しんでおいで」と言ってステージに送り出した。




ライブは全てのオリジナル曲と、これまでカバーした曲のメドレー。
これまでずっと応援してくださったファンも、
この日初めて彼女たちを見たという方々も、
みんな一丸となって盛り上がってくれていた。


声を涙で詰まらせる場面もあったけど、
最後は「My heart will go on」で元気よく幕を閉じた。
そうだ。
この解散は悲しい別れではなく、
この曲の最後の歌詞のように「喜びと希望の溢れてる場所へ」の旅立ちなのだ。








終わった。






片付けが終わり、彼女達は車に乗って長野へ帰っていった。
会場から大通りへ出るまでの一本道、
彼女達はずっと車から手を振ってくれた。
僕は車が見えなくなるまで見送った。



そして、都会の狭間にぽっかりと空いた空間のような何もない道を、
僕はとぼとぼと一人で歩き出した。
いつも思う事だけど、帰る側よりも見送る側の方が切ない。
別れた直後から、普段の生活に戻ってしまうから。




メンバーの交代劇があって、新体制になったのと同時に僕が曲を担当することになったので、
この一年間、彼女達と一緒に歩いて来たような錯覚を起こす。
ああ、学校の先生がクラスを離れるときの気分ってこんな感じなんだろうな。



NEXT GENERATIONは終わってしまったけれども、
彼女達自身の活動は、まだまだ始まったばかりだ。
僕は彼女達の今後の活躍を祈り、そして見守ろう。