雨とギター

庭

祖父は庭の手入れを欠かさずする人でした。
灯篭の下にカエルの置物があって、
なんともいい味を出していました。
雨とよく似合う。






今日一日は特に大きな行事もなく、
ゆったりとした時間が流れていました。
午後は留守番をしたので、家の中で僕一人でいたのですが、
祖父の横で、生前使っていたギターをポロポロと弾いていました。





お見舞いから帰る時に、
声が出せなくなった祖父は僕の目を見ながらギターを弾くような動きをしたのです。
それが最後のメッセージでした。




その一瞬を忘れずに、これからもがんばるよ。