ハチミツとクローバー・最終巻:感想

ここに幕を閉じる

というわけで、ハチミツとクローバー、全話読みました。
9巻が怒濤の大波乱の展開だったので「いったいどうなるんだ!?」と思ってみてたら、
何事もなかったかのようにストンと綺麗に着地してみせてくれました。




そして、最後の最後で明かされた、「ハチミツとクローバー」というタイトルの意味。
もちろん、最初のきっかけはスピッツの「ハチミツ」とスガシカオの「クローバー」というアルバムから取られているのは有名ですが、
そういう表向きな意味ではなく、漫画としての意味・・・



羽海野先生は、連載当初の段階で最終話の構想が出来ていたと語っています。
読み終わって、「ああ、これが描きたかったんですね」としみじみ思いました。


(ネタバレ反転)

そう、四つ葉のクローバーをプレゼントするというのはこの漫画にとってはとても意味があって、
花本先生がモンゴルに旅立つ際には、はぐは仲間の力を借りても四つ葉ぼクローバーを見つけられなくて、
大泣きしてしまうんですよね。
「自分は何もあげることができなかった」という気持ちが強かったのでしょう。
当然、竹本もその時の様子を知っているわけで、はぐの無念さはよく解っていたはず。
だからこそ、ハチミツを塗ったパン全てに四つ葉のクローバーが挿してあるのを見た時は、
あの時でさえ果たせなかった事を自分の為に成し遂げてくれたことを知り、
「ありったけの ありったけの 幸せを あなたに」
というはぐの想いを完全に受け止めることができたのだと思います。


報われなかった恋にも、意味はあった。


そう確信して、この物語は幕を閉じた。
なんて素敵なメッセージなんだろうと思います。




一つ惜しいなあと思うのは、映画版でもこのラストで見たかったな、ということです(笑)
映画版は原作とは独立した箇所が多いし原作が終了していない時点で作られた物なので、
あれはあれで一つの完成された作品だと思うし、とても好きな映画です。
でも、「あと1、2年待っていればラストも原作通りのものが作れたかもなあ、見たかったなあ」
ということもちょっと思いました。
まあ、仕方が無いことですけどね。
アニメに期待!!(笑)




それにしても、番外編として最後に登場した山崎・・・
すてきだった(笑)